第3章 特別
…あっ!いたいた〜!
手元にある写真と見比べて確認する。
まちがいなしっ!
赤い髪と群青色の髪の男の子と、薄茶色の髪の女の子。
私の任務は、その子達を監視、保護すること。
この事を、その子達は知らない。
絶対に知られてはいけない。それが、ルール。
何百年にも渡って戦争をして来た、戦大国のルール。
このシステムが出来たのは、つい最近。
将来有望な子を監視し、敵国の目につかないよう保護する。
そして、監視官が認めた子のみ、国属の兵士になれる。
国属の兵士になれば、自分だけでなく、家族も一生生活に困ることはなく、しかも、多くのものが優遇される。
他の家は、詳しいことは知らないから、裕福な暮らしが出来ると聞いて、簡単に子供を養成所に入れる。
しかし、強い光には濃い陰が出来る。
国属の兵士の平均寿命は、25歳前後。
位が高くなればなるだけ、任務の危険度も増す。
そんな陰があっても、養成所に子供を入れる家が後を絶たないのは、国属の兵士は、外界から切り離されるからだろう。
情報が伝わらないのだ。
兵士の安否すら伝わらない。
家族には、知らず知らずの内に術が掛けられ、この事を話そうとすれば、たちまち死んでしまう。
だから、他の家が知ることは無い。
よく出来たのはシステムだ…