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ほたる。

第15章 役不足。


夏蓮side

「清水先輩。」

「…夏蓮ちゃん…。ごめんね、私、言葉が足りなくて…。」

「いえ、先輩の頼みですし、これ。」

また別の日、1年教室前の廊下を歩く先輩に渡したのは、まだ部活に入っていない1年生のリスト。
悔しいけど、あこがれの先輩からのお願いを無下にするわけにはいかない。

「私たち、3年生は次の大会が終わればいなくなる。私…、一人でマネージャーやってる時より夏蓮ちゃんが来てくれた時のほうが、楽しかったし、なにより頼もしかったから。…夏蓮ちゃんの…可愛い後輩のためにも自分のできることやらなきゃって思ったの。」

「潔子先輩…。すみませんでした。」

潔子先輩の想い。
可愛い後輩とまで言ってくれたのに、役不足だなんて…私は自分の愚かさを悔やんだ。
頭を下げると、そっと肩に手をのせてくれる潔子先輩。

「いいの。」

「私も、マネージャーですから。手伝わせてください!」

「ありがとう。そういうところ、本当に頼もしい。」

私たちは二人で笑いあい、
それから、二人でのマネージャー探しが始まった。


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