第15章 役不足。
バァン!!!!―――
ミーティングの最中、あわただしく入ってきた武田先生。
「行きますよね!?東京!!」
なんだか、デジャヴュ。
…あぁ、前は練習試合組めたよー!だったかな。
まぁでも、行きたい。私も。
強くなるみんなの姿を、見守りたい。
そして、サポートしていきたい。
「今回は、音駒だけじゃないんだ。梟谷グループ。音駒を含む関東の数校でできているグループで、普段から練習試合などを盛んに行っているそうなのですが猫又監督の計らいで、その合同練習試合に烏野も参加させていただけることになりました。」
「行きます!!!!」
初遠征に、気合が入る一同。
「私も、がんばる。」
ふと、隣を見ると、潔子先輩がほほ笑んでいた。
…きれい…。
翌日…
「誰だろ?」
「美人!」
廊下が騒がしく見てみると、潔子先輩がいた。
「きっ、潔子先輩!?」
「あっ、夏蓮ちゃん、あのね、1年生の中で、どの部活にも入ってない子ってわかる?」
「…え?」
「マネージャーの勧誘。私も、自分の仕事をやらないと。」
ビラを配り歩き、一年生に声をかけていたらしい。
けど、潔子先輩を継ぐマネージャーなら私がいる。
私じゃ、ダメなんですか…?
「…私だけじゃ…、私だけじゃ、役不足ってことですか?」
「そういうわけじゃ「…失礼します。」」
私を呼び止める声が聞こえたけど、私は構わずに教室に戻っていった。
マネージャーなんて、居ない部活だっている。
潔子先輩の背中を追いかけて、可愛くて、きれいで、頼れるマネージャーになりたかったのに、私、そんなに仕事できてないのかな…。