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ほたる。

第14章 敗者と不安。



「やっほー!夏蓮ちゃん。この間ぶりだね。」

「及川さん、お久しぶりです。」

「前の試合は負けちゃったけど、今日は勝つから。」

私と話していたはずの視線は、急に上へと上がった。
私の後ろには、烏野メンバーが。
いつの間に…。

「負けないッス!!」

両者が燃え滾っている。
…そんな雰囲気の中、第3試合は始まった。

長い戦いだった。













勝者は青葉城西高校。

「これから、どうする?」

「俺は―…」

3年生たちがそんな会話を交わしていることなんて、知りもしなかった。

誰もが知っている事実だけど、考えたくなかったこと。
3年生が、引退するかもしれないなんて。

菅原先輩が、バレー部からいなくなってしまうなんて。

負けてから、初めての部活。
私は、体育館で1年生たちと話していた。
そうでもしないと、気持ちが落ち着かない。

「先輩たち、来るかなぁ。」

「来る…!」

「大地さんたちが、負けて終わりなわけねぇだろ。」

日向くん、影山君は、そういいつつも、そわそわしている。
山口君も。
蛍だけは、冷静だったけど。

「やばいやばい早く!」

そんな後輩たちの不安をかき消すのは、菅原先輩の声。

「行くぞ、春高」

雰囲気は、一気にいつもの明るいものへと変わっていった。

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