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ほたる。

第13章 一緒に帰ろう。


夏蓮Side

顔が赤くなった菅原先輩を見て、あぁ、本当に私のことを想ってくれてるんだなって、再確認をした。
制服に着替え、私は菅原先輩と並んで歩いた。

「俺、今日は家まで送っていくからな!」

「えっ…!でも、それじゃ遠回りになってしまうんじゃ…。」

「そんなこと気にしたら負けだべ!俺、ずっと一緒に帰りたかったから…そのっ…」

しどろもどろになる菅原先輩がなんだかかわいくて、くすっと笑ってしまった。

「じゃぁ、お願いします。」

「おうっ。」

それからは、他愛のない会話をして歩いた。
家まではあっという間で、菅原先輩が寂しい表情をするから、後ろ髪をひかれる思い。

「それじゃ…」

「まって‼えっと…その、さ。」

「あっ!」

「ん?」

家に入ろうとする私を引き留める菅原先輩。その時に思い出した。
すっかり忘れるところだった…

「これ、よかったら‼」

そういって、ユニフォームに似せた手作りのお守りを渡した。

「これ…っ」

「頑張ってくださいっ…‼」

「ありがとう。」

受け取った菅原先輩はすぐにカバンにつけてくれて、なんとなく涙目だった気がした。
そして、決意したように私に言った。

「俺っ、明日勝つから!試合でられるかわからないけど…。
あと、夏蓮って呼んでもいいかな?」

「はいっ。もちろん、いいですよ!」

蛍以外の男の人に名前を呼ばれることが、なんだかくすぐったくて、ふっと笑ってしまう。

「あと、できれば下の名前で呼んでほしい…なんて。」

「わかりました。孝子先輩って呼びますね!では、失礼します!」

孝子先輩の希望に応え、それだけ言い残して家に入った。
べつに、恥ずかしいとかそんな思いはないけど、新鮮な気持ちだったな。
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