第2章 土曜日の試合。
山「ツッキー大変!」
慌てたように、でもその表情は何処か楽しそうに走ってきた山口くん。
月島くんはと言うと、
やっぱりめんどくさそうに眉間にシワを寄せていた。
山「今度の土曜日に、試合あるんだって!
他の一年と!」
蛍「ふーん。まぁ、たかが部活なんだし楽しくやればいいんじゃない。」
山「まぁ、そうなんだけど!理由がおもしろいんだよ、ツッキー!」
あぁ、山口くんがワンコに見えてきた。
かわいい。
飼い主がツンツンでも、尻尾ふってるように見えるよ…
…断じて盗み聞きではないぞ!
聞こえてしまうだけ!!
月島くんはどうでもよさげだけど、
山口くんは内容を話始めていた。
山口くんって、メンタル強いのかな。
山「他の一年二人がさ!部長の話を無視したあげく、教頭のヅラ吹っ飛ばしちゃったんだって!」
蛍「ぷっ………」
「ヅラ!?」
月島くんが吹き出したのと、私が驚いたのは同時だった。
思わず振り向くと月島くんと目が合い、にやっと笑われた。
蛍「盗み聞きなんて、趣味悪ーい。」
ニヤニヤ顔にちょっとむかつく。
くそ。かっこいい。
「そんなつもりじゃないもん!!で、教頭ってヅラだったの??」
蛍「なに?知らなかったの?あんなの誰でも気づくでしょ。」
知らなかったのは私だけ!?
月島くんの後ろに黒いオーラが見える。
くそ。それもかっこいい。
イケメンって、ムカつくなぁ。
山「だ、大丈夫!俺も知ったの最近だし!」
「山口くん天使。」
フォローしてくれた山口くんが天使に見える。