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ほたる。

第11章 一つの選択。



翌朝。
朝食を作るために、みんなよりも少しはやめに起きた。

起きてみると目の前には畳が広がり、約畳3つ分くらい離れたところにみんながいる。
そして、後ろには布団が一つ半くらい入る畳のスペースがある…はずだった。

目の前には、蛍のドアップが。
朝からイケメンのドアップは心臓に悪いと思う。
心の準備ができていない。
そして、恐る恐る振り返ってみると、菅原先輩の顔が。
私の頭上には澤村先輩が寝ていて、その両隣は旭先輩と先生が。
とりあえず考えないことにして、身支度を整えるために元の部屋に戻ろうとすると、もぞもぞと旭先輩の布団が動いたことに気づいた。

「すみません、起こしちゃいましたか?」

「いいや。だいたいいつも、この時間に起きてるんだ。」

お互いに小声で話しながら、旭先輩は布団からゆっくりと起き上がった。

「離れて寝るって感じだったのに、ごめんな。結局こうなっちゃって。」

「いえ、大丈夫です。起きたときはちょっとドキドキしましたけど。」

「実はさ、-…」

旭先輩曰く、こういうことらしい。

いつまでも騒いでる西谷先輩と田中先輩にあきれて蛍が私の隣で寝だしたことが発端。
すでに眠りについていた私の隣なら静かだろう、と。それを見た西谷先輩と田中先輩が暴走して私の隣で寝る場所取りを始めたので、三年生の権限により今朝の状態になったらしい。

「なんだか…本当に…ご迷惑おかけしました…。」

「いや、原因はあいつらだから、気にすることないって。」

「ありがとうございます。じゃぁ、私は朝食の準備をしてくるので、旭先輩はもう少しゆっくりしてくださいね。」

「ありがとう。そうさせてもらうよ。」

そのやりとりを境に、私は朝食の準備へと取り掛かっていった。数分後に潔子先輩も来てくれたので、スムーズに準備ができた。

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