第6章 みんな、チーム。
試合開始のホイッスルがなった。
私はちょっぴり不安だった。
なんでかというと、
試合直前に日向くんから声をかけられたから。
日「楠さん…俺、試合下げられちゃうかも…」
「えっ?どうして…?」
日「かっ、影山の前でヘマしたら下げられるって、らっきょヘッドが…」
らっきょヘッドが誰なのかはわからないけど、名前で言わないあたり、多分相手校の人かなぁ…?
おそらく、王様時代の影山君を知ってる人が何か吹き込んだのだと思う。
王様時代がどんなものかはなんとなくしか知らないけど、影山君を見る限り良いものではなかったんだと思う。
でも私は、影山君にその面影があっても、今は違うと思う。
「らっきょヘッドさんが言ってる影山君と、今の影山君は別人じゃないかな。少なくとも、今の影山君はそんなことしないと思う!」
日「ありがとう…!」
私の言葉を聞いて、ナヨナヨした笑顔と共にコートへ向かう日向くん。
大丈夫だとは思うけど、
今の日向くんには言葉なんて入ってなさそうでちょっぴり心配。