第5章 火曜日、放課後
月島side
?「べ、別にびびってねぇよ!」
一人が反論するなか、もう一人が楠さんを見ているような気がしていた。
だからどうって訳じゃないけど腹がたつ。
そして頬を赤く染めたことで見ていることを確信した。
楠さんを見ると首をかしげていて、僕でさえも顔が火照りそうになるくらいだった。
苛立つのが先か、彼女を隠すように前に立ったのが先か。
多分、同時だったと思う。
蛍「うちのマネージャーになにか?」
?「べ、別にっ…」
睨みながら言うと、流石に怯んだ様子を見せていた。
そんな弱々しい男に、楠さんを譲るわけにはいかない。
…譲るって…?
なに?
なんで僕がそんなことを思うの?
疑問ばかりが駆け巡る。
けど、もう子どもじゃないから、その答えは知ってる。
友達をとられたくないだけだ。
誰だって嫌でしょ?
友達が急に誰か知らない男にとられたら。
きっと、そんな気持ち。