第3章 そしてけんか。
夏蓮side
「……知らない。」
蛍「は?」
…まさか会うとは思わなかった。
だって!あれだけ言い合ってたら時間かかると思うじゃない?
だから肉まんかって帰ろうと思って…というか買ったのに…
蛍「一言言っていくなんて常識デショ。」
ごもっとも、なんだけど…
「嫌いなの。人のトラウマえぐる悪口とか、相手が必至なのに‘手抜いてあげようか’とか。…月島くん、最低だと思う。」
蛍「あぁ、そう。まぁ僕はそういう人間だからね。」
私は月島くんのことを無意識ににらんでしまった。
どうせまた、眉間にシワでも寄せて怒ってるんだろうと思ったから。
けど違った。…かもしれない。
眉間にシワを寄せてはいたけど、
その声色とはちがって、どこか寂しそうな表情だった。
そんな表情、ズルい…。
私も言い過ぎたかも、っていう罪悪感にかられてその場を離れた。
あっ、
そういえば明日部活か…
顔会わせるの、嫌だなぁ…。