第22章 ほたる。
―夏蓮Side
夏休みで部活がメインとはいえ、休みだってある。
休息やリフレッシュは大事だから。
…ということで、一泊二日で私のおばあちゃんの家へ泊りに行くことになった。
メンバーは私、菅原先輩、蛍、仁花ちゃん、日向くん、影山くん、山口くん、澤村先輩、旭先輩の9人。
潔子先輩は家族と予定があるとのこと。そして西谷先輩と田中先輩は…縁下先輩監修のもと宿題を頑張るらしい。
電車とバスを乗り継ぎ、わいわいとした雰囲気でおばあちゃんの家へ向かった。
「うわぁ…、わりと広いんだな。」
驚くみんな。
周りは緑ばかりで、一筋の川があり、川の横に一つ木造の家がぽつんと立っている。
田舎だから、広めの家を建てられたんじゃないだろうかと私は思っている。
到着は15時くらい。
みんなでおばあちゃんとおじいちゃんに挨拶を済ませて
半袖と半ズボンのジャージに着替える。
そして神妙な面持ちで澤村先輩が話を切り出した。
「とりあえず…、」
ごくりとなる喉の音。
真剣な雰囲気かと思いきや、全員に笑顔が浮かび一斉に声を上げた。
「「「川で遊ぶぞおおおおお!!」」」
もちろん、蛍だけは冷静である。
川で泳いだり、鮎をつかもうとしてみたり、
水の掛け合いっこしてみたり…
時間はあっという間だった。
「そろそろ上がるか。」
陽も落ち始めて辺りがオレンジ色に染まるころに澤村先輩が声をかけると、
日向くんとは嫌だと芝に横になって転がり始め、
旭先輩がそれを心配し、
澤村先輩と影山君は叱っているようだ。
蛍は座って休憩していて、その横には仁花ちゃんと山口くん。