第21章 気持ち。
それから約二週間後に私たちは夏休みに突入した。
友達と遊んで、かき氷食べて、
プールや海に行って、そしてお祭り!!
…なんてことはなく、当然部活である。
でも、それが嫌というわけではなく、むしろ気合が入っている。
私たちマネージャーは、みんなのためにおにぎりを作り持って行った。
「皆、自主練の前におにぎり…いる?」
潔子先輩の言葉に反応した部員たちに、
私たちはそれぞれおにぎりを乗せたお盆をもって回った。
「菅原先輩、どうぞ!」
もちろん、一番に行くのは彼の元。
そして、次々におにぎりを配っていき、最後の一つになった時だった。
「ねぇ、夏蓮。僕にもおにぎり頂戴。」
「えっ、あぁ、うん!」
蛍が手を伸ばしてきたから、お盆を差し出しておにぎりを渡した。
「あっ、あと、タオル忘れたから貸して。」
「はい!?いや、運動部がタオル忘れるって…」
「つ…蛍く…ん!!これ使って!!」