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ほたる。

第20章 急接近



月曜日、部活がオフのため、学校の後は体育館に出かけた。
プロが教えるちびっこバレーボールがあるってチラシを見かけたので…。

まぁまぁ日にちが立ったとはいえ、バレー初心者の私は必死なのです。
少しでもいろいろなバレーを見てみんなの役に立ちたいと思うから…。

「っと…」

急に聞こえた声と人影に驚き、近くの柱に隠れた。
見覚えのあるその姿は、影山くんと及川さん。

「…、お願いします。話を聞いてください。」

「なーんでわざわざ敵の話きいてやんなきゃいけないのさ。」

この間のこと…、日向くんとのことを、影山くんなりに悩んでいるんだと思う。
きっと、そのことだ…。

「お…、お願いしアアアアス!!!!」

「わああああ!」

影山くんの大きな声での頼みに驚く及川さん。
影山くんの本気が見て取れる。
王様と呼ばれるだけあって、影山くんのプライドが高いことくらいわかる。
そんな影山くんが、頭を下げるんだから…。
相当、本気だ。

「及川さん、私からも…よろしくお願いします。」

迷った末、私も影山くんの隣に立って頭を下げた。
出過ぎた真似かも知れないけれど、チームメイトの役に立ちたい。

「猛。」

「なに?」

「写真撮って。」

猛と呼ばれた少年にスマホを渡すと、私を引き寄せて肩を組む及川さん。

「飛雄、動くな。夏蓮ちゃんも、ちょっとこのままでお願い!」

そして聞こえるシャッター音。

「飛雄、及川さんに頭が上がらないの図!」

「徹、こんな写真が嬉しいのか?ダッセー!」

…猛くんに同感です。
でも、及川さんが写真を撮るくらい、影山くんが頭を下げっるっていうのは珍しいことなんだと思う…。

「…今までボールを見ずに打っていた速攻を、日向が「自分の意思で打ちたい」って言いだしました。」

「へーできたらすごいじゃん。やれば」

「そんな簡単に言わないでください!日向には技術なんてないんですよ!」

「だから「俺の言うとおりにだけ動いてろ」っての?まるで独裁者だね?」
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