第19章 雛鳥。
ー日向side
結果試合からはずされちゃったけど、
コーチはなんとかしようって、考えてくれてるんだ…!
ほんと、楠さんのお陰だと思う。
俺は控えに回る時、試合を見ていた楠さんにお礼を言わなきゃと、近づいていった。
「楠さん、さっきはありがと…。」
「私は私の意見を言っただけだよ!」
楠さんは、いつも俺の味方をしてくれる。
それは、自惚れかもしれない。
俺が間違えたことを言えば、違うと言ってくれるはずだし…。
だけど、いまだって3対1の意見だった俺の肩をもってくれたんだ。
昨日、谷地さんに言われた好きとか嫌いとか…
恋愛なんてよくわからないけど、
もし、もしも楠さんが一人になることがあったなら、
寂しい思いをすることがあるのなら、
俺は隣にいてあげたいと思う。
守ってあげたいと思う。
他の誰かじゃなくて、俺が一番先にー…!!
………って、もしかしてこれが好きってこと!?
「………日向くん?おーい、日向くん?」
「おい日向!はやくもどれ!」
自覚したとたん、顔が熱くなっていった。
楠さんやコーチがなにか言ってたけど、なにがなんだかよくわかってなかった。