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ほたる。

第18章 恋する気持ち。



「あと、日向と影山君にお願いしたいことがあるんだけど…」

その帰り道、日向に写真を撮らせてほしいとお願いした。
それと、一つ、ずっと疑問だったことがあったから聞いてみた。

「ねぇ、日向はさ、みんなに日向って呼ばせるのに、どうして夏蓮には日向でいいよって言わないの?」

「えっ…!?」

それまで、平然としゃべって、私を力強く引いてくれた男の子が茹蛸のように赤くなってしまった。

「それは…なんか、よくわかんねぇけど、こう…。緊張する?っていうか…」

「そっか。それってさ、好きなんじゃない?」

私はずるい。

「日向、私応援するから、夏蓮と付き合えるようにアタックしてみたら?」

日向と夏蓮が付き合えば、月島君に対しての不安要素がとれるなんて考えてる。

ずるい。
醜い。
でも、欲張りになってしまう。

「好きか嫌いかって言われたら好きだけど、楠さん彼氏いるよ?」

「え?」

そんな醜い心と戦う前に、すごいことを聞いてしまった気がする。
驚き。
今の私にはそれしかない。
もう、付き合ってたってこと…?


混乱して地面を見つめている私に、日向はさらに追い打ちをかけてくる。

「だから、彼氏いるよ?菅原さん!お似合いだよなぁ…!」

月島くんじゃないの??
菅原さんって…、バレー部の先輩じゃない…。
ずっと、それを月島君はどんな思いで見ているの?

だって、じゃあ、月島君はどんな思いで夏蓮と一緒にいるの?

そんな、そんな苦しいことって…。

なんて、人の感情で醜くなったり、苦しくなったり、本当に恋って大変だと思う。
けど、

けど、私なら、そんな辛い思いさせないのに。

って、結局自分のところに戻ってくるんだ。
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