第10章 異世界紳士と秘密情報
大きく機体が揺れる中でハッと思い出す
「そうだ… USBメモリ…」
どこかに落ちているから探さないと
シートベルトを外して屈もうとした時…
今までにない強い力でフィルに抱きしめられて…
「ティナ!なにやってるんですか!
ここで墜落したら1番危険なのはティナですよ
全身水に浸かると力が抜けて
動けないのでしょう?」
「でも… USBが…」
「それとティナを比べたら
ティナを守るのを優先するに決まってますよ」
絶対守ると言ったじゃありませんか…
と聞こえるか聞こえないかくらいの呟き
「lexxからいくつかのヘリが
こちらに向かってきてくれるそうですが
恐らく持たないでしょう…」
ここで墜落したら泳いで行くしか方法がない…
でも… 私は…
と、その時
1番大きな衝撃を受けた
「…!!!」
「駄目ですね… 操縦が効きません…」
ヘリは操縦不能となり海へ落下し始める
「フィル、ティナを守ってくださいね
私はどうにかしますので」
それは本心なのネシスさん?
いつもなら、人の目を見て
真実か偽りなのか判断できるのに
ネシスさんは読めない…
「ティナ、よく聞いてください
ヘリの中にいながら墜落するより
海に飛び込んだ方が安全というのはお分かりですよね?」
「はい、ヘリの中だと
水の圧力でドアが開きませんから
その間に集中攻撃されそうですね
…飛び込みますか?海に」
エリオットとの仕事を思い出す
暗い海に落ちてからの記憶は無い
エリオットが私を見つけてなかったら…
「そのつもりですが…
ティナが動けなくなったとしても
私がいるから大丈夫ですよ」
フィルの眼差しを至近距離で受ける
とても強い意志が私を貫く
そして、フィルに強く抱きしめられたまま…
ザッパーン!!!!
お願い… 生きてlexxに…
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【profile】
名前:フィル Phill
性別:男
年齢:30
身長:181cm
特徴:腰まである銀髪に薄紫の瞳
前機関:ZI7 成績)不良
前部署:情報処理班 成績)優良
現部署:調査偵察班 成績)優良
得意:情報機器の操作
備考:
元ZI7だが無理やり入らされlexxに逃げてきた
ネシスとは学生時代から先輩後輩の関係