第4章 恋愛初心者【砂川誠】(俺物語!!)前編
砂川side
大和さんと武男が歩いている後ろで、
俺とさんは無言で歩いていた。
さんは二人を優しい表情で見つめていた。
そんな彼女を見た、俺は。
砂川「さんってさ。」
話を切り出していた。
「は、はい?」
急な声かけにびっくりしたのか、焦った顔でこちらを見てくる。
にやけてしまいそうな顔を、抑えて。
砂川「さんは、彼氏とかいるの?」
「いませんね、全く。出会いがなくって…。」
砂川「そっ、か。」
その返事を聞いただけで、俺は少し安堵したような気持ちになった。
「そういう砂川君こそ、彼女さんはいるんですか?」
砂川「いや、こっちも。」
「ですよね…。」
さんはしょんぼりとした表情で共感してくれた。
さんと、もう少し仲良くなりたい。
その感情が、俺を襲う。
俺は一体、どうしてしまったものか。