第9章 虎探し
「その小僧……じゃあそいつが」
国木田さんはやっぱり察しが良い。
私は、敦くんの頭に手を添える。
『七人ノ小人』
二人は話し込んでたので、私は当初の仕事を済ませる。
「太宰さん、終わったよ。」
「ありがとう、白雪ちゃん。」
国木田さんはクルリと後ろを向く。
「おかげで非番の奴らまで駆け出す始末だ。皆に酒でも奢れ。」
ああ、夕方の仕返しね。
「なンだ。怪我人はなしかい?つまんないねェ」
与謝野晶子
能力名『君死給勿』
「はっはっは。中々できるようになったじゃないか、太宰、白雪。まあ、僕には及ばないけどね!」
江戸川乱歩
能力名『超推理』
「でも、そのヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」
宮沢賢治
能力名『雨ニモマケズ』
「どうする太宰?一応、区の災害指定猛獣絵だぞ。」
国木田独歩
能力名『独歩吟客』
「一応、自分が能力者っていうことは教えておきましたけど……どうするんですか、太宰さん?」
篠葉白雪
能力名『七人ノ小人』
「うふふ。実はもう決めてある」
太宰治
能力名『人間失格』
太宰さんは笑う。