第9章 虎探し
ーーー夜
僕は太宰さんと共に虎が出てくると思われる倉庫にいた。
僕は、チラリと太宰さんの方を見る。
太宰さんの手には、『完全自殺』と書かれている本が……
「……本当にここに現れるんですか?」
と太宰さんに聞く。太宰さんは目線を本に向けたまま
「本当だよ」
と云う。
心配だ。
とても
僕は太宰さんの方をずっと見る。
太宰さんはその視線に気づいたのだろうか僕の方を見て云う。
「心配いらない。」
まるで僕が考えていることがわかっているように。
「虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えて『武装探偵社』の一隅だ。」
僕は太宰さんのその言葉にすごいと思う。
「はは。凄いですね、自信がある人は。」
僕は、思ったことを云っていく。
「僕なんか、孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われててーー」
もう言っちゃえ