第6章 白雪の入社試験
もう時間がない。
私は、子供に云う。
「ねえ。お母さんたちはどこにいるか分かる?」
「わかんない。私、お母さんと一緒に逃げる途中さっきの男の人に捕まったの。」
私は、そっか、と呟くとぎゅっと抱きしめる。
「お姉ちゃんね。小さい時に綺麗な絵を見たことあったの。」
30秒
「その絵はね、綺麗なお姫様が白馬に乗った王子にキスをする絵だったの。なんだろうね、とっても幸せそうに見えたの。」
20秒
「その時に云った言葉がね…………」
3、2、1
「『七人ノ小人』って云ったの。」
0
次の瞬間、白い壁が私たちを覆わせる。