第35章 行方不明
芥川くんが、太宰さんの元から戻ってきた。
どうやら、人虎に対して嫉妬したようであった。
私は、芥川くんと共に人虎の捕獲に向かおうとすると、近くにいた中也が止めた。
「白雪にあったら、今度は殺されるかもしれないから駄目だ。」
「……わかった。ごめん、芥川くん。」
「大丈夫だ。僕一人で人虎を捕獲してくる。」
と言って、芥川くんは背を向ける。
残った私と中也は、太宰さんのところに向かった。
中也は、どうやら太宰さんを馬鹿にしたいらしい。
「相変わらず悪巧みかァ太宰。」
一声目が其れ!?
「こりゃ最高の眺めだ。百億の名画にも優るぜ。」
中也、言い過ぎ……。
私は、中也と共に太宰さんの近くに行く。
「わあ。黒くてちっちゃな人がなんか喋ってる。あと、黒雪ちゃん、記憶戻ってよかったね。」
「お陰様で。」
「ケッ。いい年こいてまだ自殺がどうとか言ってんだろどうせ。」
「うん。」
否定はしてよ……。
私は、苦笑。