第3章 黒雪の『林檎ハ如何?』&急な別れ
「白雪がいない?」
私は、部下にもう一度聞く。
嘘でしょ?姉さんのことだ。
嘘に決まってる。
姉さんが、私を捨てるなんてしない。
「はい!太宰さんと仕事に行ったきり帰ってこなく、行方不明になっていました!!」
「太宰さんもか!?」
芥川くんが、焦っていた。
当たり前だ。
彼にとったら太宰さんなんて師にあたる存在。そして、私にとっても、太宰さんと白雪は師にあたる。
「どこにもいないのか!?」
「はい!どこにもいないのです!!」
部下が慌てている。
私のこの感情を誰か止めてくれ。
「黒雪!?」
「黒雪さん!!?」
私は、芥川くんと部下の声を最後に
目を閉じた。