第12章 嬰壱点二 共感覚〜家康〜
「二人の拍手から、甘い音がする。」
「甘い音?」
と家康が聞く。
「うん。私ね、絶対音感っていうやつと共感覚っていうやつを持ってるの。」
「どうやつなんだ?」
と政宗が聞く。
「うーん。家康、琴弾ける?」
「ちょっとなら。」
「じゃあ、私、後ろ見ているからどの音でもいいから鳴らして。」
と言って私は後ろを向く。
すると、
琴の音がする。
「壱点ト。」
「正解。」
そして、二人の方を向く。
「音を当てれるっていうのが、絶対音感。だから、日常の中でいろんな音があるの。そして、その音の感じ方を『悲しい』とか『甘酸っぱい』とかで思うことを共感覚っていうの。」
「咲良は、二つも持ってるんだね。」