第8章 壱点ロ 囲碁〜信長〜
「ほう。五百年後の世界から、か……。」
「私の時代の言葉では『タイムスリップ』と言います。」
パチン
「いつ戻れるのか?」
「今から三ヶ月後だそうです。」
私は、一歩下がり
「負けました。」
と礼をした。
「貴様。なかなか強いな。」
「叔母から叩き込まれたからには、勝たないといけないと言う気が強かったですから。」
私は、頭を上げくすりと笑う。
「秀吉から聞いたぞ。貴様、昼。男に絡んで行ったそうだな。」
「……楽器を馬鹿にするものは私は嫌いです。」
かの彼氏と同じ性格は嫌いだ。
「そして、琴が弾けるとはな。」
「和楽器は、それなりに弾けますから。家が、和であったため。」