第2章 壱点ハ 治療〜家康〜
ケホケホケホケホ
私は、妙に朝から咳き込んでいた。
「咲良様?大丈夫ですか?」
女中の人が、心配そうに聞く。
「大丈夫ですよ。」
私は、微笑む。
「咲良!」
「政宗?どしたの?」
「どしたの?じゃあねえよ。朝餉できたから呼びにきたんだよ。」
「あ、ごめん。今行くね。」
私は、政宗のあとを追う。
ー広間ー
武将の皆さんと一緒に食べていた。
私の右隣が三成くん。左隣が秀吉さんであった。
ケホケホケホケホ
「咲良、どした?風邪をひいたのか?」
と信長様が、聞いてくる。
「いえ、熱はないんですけど……。ケホケホ」
みんなの目線が私に集まる。
やはり痛い。
「咲良、何か隠してないか?」
特に、信長様の視線だけが一番痛い。
「ええ。何も隠してなど……痛っ。」
私は、思わず右手で持とうとしたお茶碗を手放せる。