第1章 blue
気が付くとそこは涼しくて
ツンと消毒液の匂いが立ち込めた。
片眼を開けると真っ白なカーテンと
真っ白な布団に包まれて
今が真夏だということを忘れさせる。
ああ、おいらぶっ倒れたんだ。
もう1度眼を瞑るとグラウンドから
生徒の声が聞こえる。
さっきまでおいらもいた場所。
まあいっか、
このまま寝てしまおう、
そう思ったのに
ガッシャーン、と
カーテンの向こうから
シルバーの容器やら、なんやらが
激しく落ちる音がして
それどころじゃなくなった。
「うわあ!」とそれに驚く声が
なんだか聞き覚えがあって
体を起こしてカーテンを少し開ける。
もお…なんで、と眉を下げて
独り言を言いながらしゃがみこむのは
同じクラスのさん。
黒板消しが好きだと言った、
少し変わった女の子なんだと思う。