第5章 purple
『はーい、筋肉バカの櫻井翔でっす
ってなんでや!』
「…ありがとう、櫻井君」
『やめてさん、辛くなるからやめて』
と言う櫻井君の後ろでみんなの笑い声が聞こえる。
「なんか盛り上がってる?楽屋」
『うん、そう、もう松潤帰るからね』
と言われ、なんだか首のあたりが
くすぐったくなる。
何これ新婚さんじゃないんだから。
「う、うん、ありがとう」
『さんのお陰でさ、
松潤ちょっと優しくなったよ』
と相葉君のように小声で話す櫻井君。
みんな松本くんが聞いて困ることは
大体わかってるんだろうなと
嵐のよさを感じた。
『なんかね、すげえ穏やか。まるで天使』
と自分で言って
自分で笑ってしまうところが櫻井君らしい。
「それ、嬉しい、ね」
『ほんとありがとうございます』
「い、いえいえ!こちらこそ」
『不束な潤ですが、
これからも何卒よろしくお願い致します』
「こ!こちらこそ不束なおばさんですが
何卒よろしくお願いいたします…」
『おばさんって!歳そんな変わんないし!』そう言って、今度は「最年長、後ろでスタンバッてっから」と笑いながら消えていく声。