• テキストサイズ

君と紡ぐ100のお題

第5章 purple







「…昨日、なんで許したの?キス」





彼の苦しそうな表情が
それは私のせいなのかと思うと
胸が痛くなった。




でも





「私、…怖くて、まだ、信じられなくて」







力の入る腕に資料がクシャっと潰れる。










「松本くんが、
 私を好きだって言ってくれる理由が
 見つからなくて」




仕事ばっかりだった。


あの人を忘れようと必死で頑張った。
そんな時にあなたが現れて
またあんな思いをするんじゃないかと
不安になった。





「、さん」




松本くんが力の入った腕に触れると
その場所から一気に松本くんの優しさが
私を包む。




「さんの良さは、
 俺がちゃんと見てるから。
 あなたは前だけ向いてればいいんだよ」







「大好きな仕事のことだけ、考えればいい。
 もし不安で潰れそうなことがあるなら
 俺を呼んでよ。
 それだけで俺は十分だから」




そう言ってカッコつけるでもなく
それ以上触るわけでもなく
ただ安心する笑顔をくれた。








年下男子は
私が思うよりもずっと男でずっと大人。



















END.








「とりあえず、俺以外の男呼ぶのはなしね」
「は、はい…」
「仕事、戻りたくねえなあ。
 (このままさんを持ち帰りたい)」
「こら」
「じゃあ、終わったら家行っていい?」
「……今日だけ、だよ(駄目だな私って)」
「やりい」

/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp