第5章 purple
「うん、たぶんそうなんだろうね」
「い、やああぁぁぁあっ!」
突然後ろからかけられた声に驚いた。
「…ひ、っでえ声」
振り向くとメールの相手がそこにいた。
「…な、なんで!」
「や、現場の近くで撮影だったから
さんいるかなーって」
「…あ、そう、ですか…」
心臓に悪いわ、登場の仕方が。
年上ビビらすとは何事ですか!
「で、フワフワの理由は?」
と松本くんが意地悪そうに私に近付く。
「は!?フ、フワフワ!?」
「うん、俺からのメール、フワフワした?」
「…私、心の声、出てました?」
「うん、バッチリ」
だから歳をとるって恐い。
「…いや、その、あ!で、何かな。
なにか私に用事?」
話をそらしてメールの内容を尋ねてみる。
「うん、家、行っていい?」
と、コンビニ寄っていい?
のテンションで答える彼。
あれ、私聞き間違えたかな。
「松本くん、家に何か用なの?」
「うんん、用がないといけない?」
驚いた表情を見せる彼。
「いや!驚くのはこっちです!」
「どうしたの、そんな大声出して」
「や、いや、違う、おかしい、」
「落ち着いてさん」
「なんであなたは落ち着いているの」