第4章 yellow
「お父さん、大丈夫?」
「え?なにが?」
「…いや、ああは言ってくれたけど
やっぱり心配だよな、って
俺だったら嫌だもん
娘がアイドルと付き合うとか」
「ふふ、大丈夫だよ
電話で言ってたもん
また和也くんとご飯食べに来なさいって」
「…んふふ、まじすか」
「嬉しいんだよ、お父さん
うち、男の子いないから」
きっと理由はそれだけじゃない。
ちゃんと二宮くんを見て
安心してくれたんだと思う。
…なんか、と言いかけた彼が
なかなか言葉を発しないので
何?と聞き返す。
「…家族、って
こういう風に繋がっていくのかって
柄にもなく幸せ感じたっつうか、
やっぱ好きな人の家族は
自然と好きになるわけで
気に入られたいって欲が出るわけで
…だめだ、
2日後、仕事出来る気しないわ」
とかなんとか言って
私を抱き締める彼。
「私、二宮くんとこうして
ゆっくり過ごす朝が一番好き」
そう言って何も身に付けていない
彼の胸に顔をすり寄せると
「私も、
服を着てないあなたが一番好き」
と意地悪に笑って。
END.
「出たな、エロ宮くん」
「ふふ、なんすかそれ」
何も変わらないお正月、
特別なことなんてないけれど
やっぱり隣にあなたが居てくれて
冗談を言って笑って迎える朝が
最高に幸せで
そうやって私たちの変わらない関係が
進んでいく2014年。