第4章 yellow
その優しい言葉に益々
昨日の自分が恥ずかしくなった。
「…二宮くんの方が、忙しい、のに」
「俺と比べるところじゃないでしょ?」
首をかしげて優しく微笑む彼に
刺々しい気分が楽になる。
彼は自分のことも、
人のことも、誰かとなんて比べない。
その人を自身を見る、私は彼の
そんなところが大好きだ。
「…うん、ちょっと、余裕がなくて。」
素直に言うと
「うん、そんなとこも好き」
なんて突拍子もない答えに驚いた。
「え、あ、ありがとう」
「…ふふ、お礼て。
もう、充電はいりませんか、」
質問の答えを待つ気なんて
ないくせに。
体を起こした二宮くんが
私を引き寄せて
「じゅーでーん」
とバカみたいに言う。
彼の胸の中で
「ふふ、」と声を漏らすと
耳元で、
「家で待ってるから」
とそれだけで
昨日の夜とは違う気持ち。
END.
「待ってる」って言われると
頑張れるのは何故だろう。