• テキストサイズ

君と紡ぐ100のお題

第4章 yellow






まだ目覚めていない彼の腕を
そっとどけると

「…はよ、」


とかすれた声で言われた。


うつ伏せになって寝る彼の顔は
枕で半分埋もれている。



「…お、はよ」




彼は今日お休みで、
ゆっくり寝られる唯一の朝。



「ごめん、起こしちゃったね」

「…んーん、…」



まだ眠そうな彼を見る。


こんな日の朝は
益々仕事に行きたくない。





最近、年末ということもあり
仕事がかなり忙しい私。

どこか気持ちに余裕がなくて。

昨日の夜、
二宮くんにキツくあたってしまった。





「…昨日、は、ごめんなさい」


チラッと彼を見ると
少しだけ目尻が下がり
小さく笑う。


「…いいのよ、んなこと」

「…よくない、全然よくない」

「じゃあよくない」

「………」


自分で言ったのに、
二宮くんにそう言われて
また自己嫌悪。



朝から面倒な私に嫌な顔一つせず
彼から出た言葉は私を心配する気持ち。




「…最近、頑張ってるもんね、あなた」


/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp