第4章 yellow
「あー腹減った」
と電話を終えた二宮くんが戻ってくる。
目が合うと、先程のことを思い出して
フリーズしてしまった。
ど、どどどどどどお
どうする私
言うの!?聞くの!?聞かないの!?
聞けるの!?聞けないよ!
「……あ、い」
「…うえお?」
と二宮くんが笑う。
ちがあう!そうじゃないの!
なんでそんな風に出来るの!?
なんで他の人に…
二宮くんの一番は…私じゃない、の?
「……」
滲む目の前に、二宮くんが
「え…なに、どうした」と慌て始める。
そんな優しさ、
この気持ちどうしたらいいんですか。
「……まさかとは思うけど、
違ったら言って、ね」
彼が私の肩を掴む。
「さっきの電話、母親だからね?」
「………え?」
「…うん、やっぱりそうなのね」
あらら、とカクッと肩を落とした彼が
私の頭をポンポンと叩く。
「そ、そんな嘘」
「嘘じゃないって」
「じゃあなんで」
「…うるさいの、はどんな子かって
容姿を言えだとか、
どんな所が好きなのだとか
楽しんでるんですよ、私の反応を」
「わざわざ、隠れなくても…」
「嫌だよ、なんでの前で
ベタ惚れ話しなくちゃなんないの!」
「……、」
「顔」とニヤけた頬を摘ままれる。
「…好きって、待ってるって」
「ああ、あれは」
母ちゃんがはもんじゃ好きかって、
もんじゃセット送るからって
そう言って摘まんだ頬に近づいて
チュっとわざと音をたてて唇で触れる。
「こんなに一途なのに。
しょがないなあ、
今日はたくさん可愛がるってあげる」
と耳元で囁く彼に
ふしだらな妄想が止まらなくて。
真っ赤になった私をまた指さして笑う
意地悪な人。
END.
「、目逸らさないで」
「…い、や、ごめんな」
「だめ、どれだけ想ってるか思い知らせないとね」