第4章 yellow
「・・・泥棒ですか」
「あ、い、や、えっと、」
会いたいといいましたが、
そんな急に出てこられても
心の準備が間に合っておりません。
二宮くんの視線が私の手元に移る。
「・・・・・・」
「あ、二宮くん・・・わたし」
「、」
謝ろうと口を開いたが
それを遮断された。
「俺さ、言っちゃうんだよね」
二宮くんがフザケずに真面目な顔をする。
真面目な話は苦手な方。
だからケンかなんか滅多にしないし
何でも言葉を飲み込む人、
特に自分の意見がない人。
それが二宮くん。
「ばかって、もうには口癖のように」
「うん、もういいよ」
「違うの、聞いて。」
二宮くんが気持ちを言ってくれることは
少なくて。
聞いて、だなんて
言われたのは初めてで。
すう、と息を吸って
小さく吐いた彼が言葉を続けた。
「嫌いは好き、無言は旨い、バカは・・・可愛い」
私から視線を外していた彼がチラッと
こちらの様子を伺う。
「・・・こんな女々しい俺ですが
これからも傍にいてくれますか」
そんなの答えは決まってる。
「…この写真、貰って、いい?」
「……ばか」
私が笑って喜ぶと
少し赤くなったような顔をしたあなた。
この日から
二宮くんの「バカ」は
私の一番の褒め言葉。
END.
「言っとくけど今のバカは違うからね?」
「え?バカにも種類があるんですか」
「…ふふふ」