第4章 yellow
「二宮くん、これどうしたの?」
テーブルに置かれた私の大好物。
「ん?差し入れで貰ったから」
「コンビニのミカンゼリーを?」
「うん、気合い入らないよね」
なんてゲームをしながら
その差し入れに文句を言う。
「食べなかったの?」
「私はブドウの方が好きなんです」
「…食べないの?」
「うん、にあげる」
コンビニの袋に入った、
コンビニのミカンゼリーが5つ。
私の大好物が5つ。
「全部?」
「うん、全部」
「この差し入れくれた人、センスいいね」
「そーお?」
興味なさそうに私の話に相づちをうつ二宮くん。
私が気付かないとでも思っているのだろうか。