第3章 gleen
「明日のライブ、来てくれる?」
雅紀くんがソファに寝っ転がって
雑誌を読みながら私に聞く。
「あ、うん、行こっかな」
「まじー?うちの母ちゃんも来るべ」
と笑った。
「え、ど、どうしたら」
「大丈夫大丈夫、別に席隣じゃないし、
なんなら場所離したし」
「え!それ失礼じゃない!?」
「もー、心配症だなあ、
大丈夫挨拶はまた今度ね」
「そ、そんなあ…」
心配する私にまた笑う雅紀くん。
本当に大丈夫なんだろうか、
生意気な女だ、なんて思われないだろうか
私の頭の中は
新しい不安でいっぱいだった。
ただでさえ、付き合ってからは
ライブに行かなくなって
1人で行くのにも不安があるのに。