第3章 gleen
「なんでそんなに旅行嫌なの?」
彼の目に対して大きすぎる黒目が
小動物のようにウルッと光る。
そんな目で見つめても
ダメなものはダメなんです。
「嫌じゃないよ、怖いだけ」
「そんな変な場所連れてかないから…
そりゃあまあ、変なことはするけど」
「…変な、こと」
「いや!ちゃんが嫌なら
100歩譲って変なことは、…しない!」
「ま、雅紀くん、問題はそこじゃなくてね」
そうなの?じゃあ変なことはしていい?
と首を傾げる彼は
まだ問題点がわかっていない。
「雅紀くんと旅行なんて嬉しいよ、
でも、私は…」
雅紀くんを失うのが怖い。