第1章 blue
私も同じように、上半身だけお家の中。
脚はプラーンとベランダへ。
「…暖かいねえ」
「…うん、寝ちゃい…そ…」
何も話さなくなった隣を覗き込むと
寝息さえも聞こえないくらい
死んだように眠る智くん。
「…っ、」
思わず吹き出してしまいそうになり、
起こしてはいけないと
慌てて口を押さえた。
幸せそうに眠る智くんの顔を見て
なんだか私も頬が緩む。
この暖かい気温と、平和な表情にほだされたのか、セットされていない彼のサラサラな前髪をかき分け、顔を出した綺麗な額にそっと口づけをした。
口をつけた彼の額は暖かくて。
「おやすみなさい」と
そのまま目を閉じて
抱き締めるように
眠ってしまったある午後の休日。
END.
「ねえ、なんかオイラ鼻から下焼けた?」
「うん、顔半分だけ黒いね」