• テキストサイズ

君と紡ぐ100のお題

第2章 red










「…うん、そう、だよね、
 私が間違ってた!
 ごめんね、二宮くんにはちゃんと
「うーそ」


「え?」



彼がスプーンを置いて
息を吐く。





「…まあ、気にしてないって言ったら
 嘘になるけど、大丈夫だよ。
 行っておいで」


ふんわりと笑うのはいつもの翔くん。


「でも、」


「あの時、ニノがちゃんの傍に
 いてくれて感謝してるんだ。」




初めて聞く、あの時の彼の気持ち。






「自分の気持ちにも正直になれたし
 そのお陰で今があるわけだし
 …まあ、キスは予想外でしたけど?」




ねえ?と意地悪な顔して
下から私を見るように。


「う、…はい、」


眉を下げて笑った彼がまた
口を開く。


「てことで、今日はちゃんが
 俺を満足させてくれると?」



大きな目で私を真っ直ぐ見つめる視線。
暫く彼の言葉の意味を頭の中で
分析する。




「え!?…まんぞく!?」

「違うの?」


わざとらしく細めた目。

この目の彼は
もう止められない。




…はい、とそれに従うと


口を吊り上げて笑う彼が

「ヤキモチ焼かせた、罰」


そう言って。








END.




2人で湯船に浸かっていると
また彼が二宮くんの話を持ち出した。



「ニノ、ちゃんに
 なつきすぎじゃない?」
「歳上だからね?」
「ふうん」
「…あれ?まだ妬いてるの?」
「…あ、生意気、足りないのあなたが」


彼の顔が近づくと
また乳白色のお湯に溺れて。





/ 449ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp