第2章 red
「え?ニノと?」
ハヤシライスを出して
大喜びをしていた彼の顔が
一瞬固まった。
「…うん、あの、さ、
彼女とより戻したから
3人でご飯、食べない?って」
「…、」
黙って一度ハヤシライスを
口に運ぶ彼が
うめえ、と言った。
「や、翔くんもね、と思ったんだけど
ほら時間が合わなくて
たぶん、二宮くんからも
言われると思うけど…」
なんで私がこんな風に焦るかは
翔くんが一番知っていると思う。
「…つまりは元彼に会いに行くから
許してってこと?」
「も、もとかれって…
そんなんじゃないよ、」
「キスしたんじゃん」
「そ、れは」
それに関しては本当に何も言えない。
事実は事実で、
付き合っていた、それも事実で。
たった何日間の間だったけれど。