第2章 red
もうお昼すぎ。
気持ちよさそうに私のベットで眠る彼。
もう髪の毛はクシャクシャで
これがテレビで見る嵐の櫻井翔だなんて。
いまでも時々信じられない。
「…やっぱりただの翔くんだな」
ベットのそばにしゃがみ込み
彼の柔らかい髪の毛に触れた。
「…ん、」と眉を動かして
寝返りをうつ彼。
ほんとに疲れてるんだろうなあ、
なんて、なかなか目を覚まさない彼を見て
思った。
一緒に誕生日を過ごすのは
これで何回目だろう。
小さい頃は毎年一緒だった。
大学を卒業して連絡を取らなくなった
あの期間、誕生日を一緒に過ごすなんて
夢のような話で。
でも今はまたこうして
誕生日に普段通りの朝を迎えられる。