第5章 明暗界線
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ユウさんに呼ばれ、また面倒な客の相手かとため息を漏らす
まだ勤務時間外なのに‥‥特別手当て出るよなぁ
黒服の後を着いて歩きながら、
ぶら下げてたネクタイを締め直し、脇に抱えてたジャケットを羽織った
促され、ノックをしてVIPルームのドアを開ける
予想と反した状況
ワガママな常連が、変態プレイしにきたかと思ったのに
そこにいたのはあどけない顔したガキだった
それも‥‥この制服って、中学生じゃん
「この子の相手してやって」
「‥‥コイツ、でも、」
思わず躊躇してると
ガキがゆっくり近付いて来て‥‥
俺の首に腕を回して、ぶつけるように唇を重ねて来た
目を開いたまま、
黙ってそれを受け入れる
反応しない俺の舌を捉え、必死で絡ませ‥‥
角度を変え、また貪るように唇を重ねる
ふぅん‥‥必死だな
‥‥ヘタクソだし
ユウさんを覗くと、ニヤリと笑った
このガキ、ここで働く気か?
それなら、
社会の厳しさ、ちゃんと教えてやんなきゃねぇ‥‥
細い腰に腕を回し、グイッとヤツの身体を寄せた
キスに応え‥‥それ以上に追い回し、息継ぎのタイミングさえ与えない
やっと唇を離すと
ヤツは息を漏らし、唾液を垂らした‥‥
笑った俺を、生意気に睨んでくる
ケツを掴んで、
「初めてで俺って大丈夫?ガンバって?」
ワザと笑った俺に
制服の袖で唾液を拭うと、自ら制服を脱ぎ始めた
面白いじゃん
「焦んなよ。テストだろ?‥‥あっち行こうか?」
ガラス張りの向こうを指差す
「アソコで仕事すんだから」
「‥‥そ。じゃ、行こうよ、オニイサン」
生意気な目ぇして(笑)
まぁ‥‥
ここの変態客の好むタイプだけど
生意気なヤツがさ
羞恥を曝され
プライド無くして
最後は自ら強請るようになるんだ
その過程がね楽しいんだってよ
ゲームでもあるでしょ
調教ゲーム、実写版だよね
オマエにその覚悟、マジであんの?
「じゃぁ、テスト始めよっか」
ジャケットを革張りのソファーに掛けると
解除された奥の部屋に誘った
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