第3章 ヒミツな関係
牡丹はサイファのメイドを物心つく前からしていた。
メイドの長から聞いた話は、赤ん坊の牡丹が屋敷の前に捨てられていた所を助けてもらい、それからずっとメイドとして面倒を見てもらっていると言っていた。
牡丹はこの国ではない異国の娘のため、その見た目の違いが成長につれはっきりとしている。
髪の毛は金髪
肌の色は透ける様な白
左右の色が違うオッドアイ
そして、誰もを惹きつける美しさを持っている。
その事からメイドから嫉妬され、嫌がらせを受ける事もしばしばあったのだ。どんなに辛くても牡丹は挫ける事はなかった。
いつか自分を「捨てた」両親を一目でも会いたいと願っていたからだ。いくら「捨てた」と言えども、自分の両親には変わりない。再開したら娘として一緒に暮らしてもらうんだ。そのためなら頑張れる。
そう、今だって辛くても負けないんだから。
「あんたの姿見てるとイライラしてくるのよ!しばらくここに入ってなさい!いつか開けてあげるから…!でも、居るの忘れて一生このままにしたら許してね。ふふ!」
「ちょっと、」
牡丹より少し年上のメイドに、屋根裏部屋を掃除する様に言われ入ったら、外開きの扉の部屋に閉じ込められてしまった。しかも閉じ込めた理由は、姿を見るとイライラするから。意味がわからないよ。
屋根裏部屋は、滅多に入らないのでいくら声を出しても気づかれない事はわかっていたので、無駄な抵抗はしない事にした。