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[イケメン王宮]グッバイ!racrimosa

第5章 番外編 小さな王様の観察日記


(そっくりさんの場合)
「これで良し、駄目だろ。怪我まだ治ってないのに動かしちゃ」
ルプスの熱がようやく下がって安心したのか、今度はやつがれが怪我をした。如何やら悪漢と戦った時の傷が開いてしまったらしい。
「ほら、ちゃんと鷹頭巾も被って安静にしろよ。飛べなくなって困るのはレグルスなんだから、」
むぅー、せっかく身体の具合が良くなって遊んでもらえると思ったのに不満の声をあげれば優しく頭を撫でてくれるが、やつがれ、この鷹頭巾もあまり好きじゃない。
視界が狭まり、目の前が真っ暗と言うのは如何も落ち着かない。
「じゃあ、俺今日は仕事するから部屋で大人しくしろよ」
そう行って、扉がパタンと閉まる。人の気配がない。
やつがれはルプスが病気の時、傍でずっとカンビョーしたのに、ルプスはシゴト、やつがれのカンビョーしてくれない!
「ピキーーピュイキュイ、キィーー!」
なんてハクジョーなやつ、ルプスのアホー!!やつがれのカンビョーしろーやつがれ寂しい!!
あらん限り叫ぶが扉は開く気配がない。


優しく羽を撫でる感触。如何やらやつがれは泣き疲れて寝ていたらしいルプスが帰ってきたと言うことはもう夕方か今日は遊んでくれない。仕方ない今日はこのままこうして撫でてもらおう。
優しく大きな少し硬い手がやつがれの羽を優しく撫でる


チガウ、ルプスの手じゃない!!!

「キーーー!!!」「っ!?待て!暴れるな」
お前だれ!!やつがれに命令するな!!暗い!!でも逃げなきゃ!!
視界が見えない状態で部屋を飛ぶ!ガタガタと何度か壁や床にぶつかるも部屋から抜け出そうと出口を探る。
鉤爪と身体をギュッ掴まれ、頭巾を外してくれた。
目の前にいたヒトは一瞬ルプスかと思ったが違う!ルプスはこんな事しない!離せ!!
「暴れるな、怪我が酷くなるぞ」知らない!お前どっか行け!!

羽を必死にばたつかせるも気にする素振りは一切なく塗り薬を塗る。アレ?痛くない。

「お前の主に頼まれた。よく寝ていたから触れてしまった、すまない」
よく見るとこの城の王様だ。スピネル様の主で、優しく微笑む顔がルプスそっくりだ。仕方ない、これ以上は怒らないでいてやる。
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