第5章 恋愛と戦争では手段を選ばない
『いや、ちょっと待って。
・・・なんで出久くん?』
「あ"ぁ!?てめぇデクの個性のこと
知ってて俺に隠してただろが!」
『それは・・・
言うタイミング無かったっていうか・・
私も入試時に知ったし・・!』
「・・つか最近、クソデクと
絡みすぎなんだよ胸糞悪ぃ。」
イライラした様子で机をノックする勝己くん。
あぁ、もしかしてこれは、
『勝己くん、嫉妬してるの?』
「・・・はっ・・!?////」
図星だったようで、
勝己くんの顔が一気に赤く染まる。
いつもみたいに怒鳴られるかなと思ったら
クソが!と呟きながら大人しい。
何だかそれが珍しく可愛くて、
少しニヤけてしまった。
「ニヤついてんじゃねー!!」
『あっ、ごめん!
てっきりお兄ちゃんのことで
怒ってるかと思ったから・・・』
「あ"?」
(あ、地雷踏んだ。)
完全に油断していた。
そう思ったときにはもう遅くて、
グラッと揺れた私の視界は
不機嫌丸出しの勝己くんの顔と
天井の白に変わっていた。