第14章 安土で(7)
信長「……なるほど。」
「えっ、分かったんですか?」
信長「貴様が本当に500年後の日ノ本からやって来たこと、
その上で俺に戦をする前に話し合えと言ったというのはわかった。
…しかし本当に時空を超えてきていたとはな。」
ふっと信長様は冷たい笑みを浮かべる。
「信じてくださるのですか?
…その、タイムスリップのこと。」
信長「信じろと言ったのは貴様だろう。
それに貴様の話を真とすれば全てのことに説明がつく。」
「そうですか…その、信じてくださってありがとうございます。」
信長「だが、だからといって
貴様の願いを聞き届けるつもりは無い。」
「え……」
信長「えも何もないだろう。
それを受け入れて俺に何の得がある。」
「話し合いでまとまれば戦をしなくて済むじゃないですか…」
信長「もとより俺は戦をすることに反対ではないが。」
「うっ…」
信長「貴様は交渉が下手だな。
…そうだな、貴様、囲碁はできるか?」
「いえ…やったことないです」
信長「そうか…では俺が教えてやるから囲碁で勝負しろ。」