第4章 これから
そうして右手を差し出すと幸は驚いた顔でこちらを見た。
幸「っ…!」
幸は顔を背けながらも握手をしてくれた。
ちらりと覗く耳は少し赤くなっているように見えた。
(もしかして…照れてる?)
首を傾げ見つめていると佐助君が言った。
佐助「幸は照れ屋なんだ。気にしないであげて。」
幸「ばっ…!何言ってんだ!別に照れてねぇよ!」
そう言うなり幸は手を離してしまった。
(あ…照れてる。)
思わず微笑んでいると未だ顔の赤い幸がこちらを睨んできた。
幸「何笑ってんだよ!」
「幸は照れ屋なんだね。」
幸「うるせー!ちげーよ!!」
佐助「どうどう」
幸「お前もなんか言えよ佐助!ってかお前のせいだぞ!」
そうしてぎゃいのぎゃいのと騒ぎながら、ひとまず私たちは春日山を目指すことになったのだった。