第1章 君に捧げるエンブレム
翔「…」
智「それとも何か?結婚して子供のいる未来に憧れた?」
翔「…違う!」
お、反論した
いいよ 翔くん
全部吐き出しちゃえよ
智「どう違う?」
翔「俺が献身的に支えて欲しいのも 支えるのもあなただけ 子供なんていらない あなたがそばにいてくれるならそれでいい それだけの理由であの役を受け入れられない」
智「…は?」
翔「女優との共演は別に構わない 今までだって平気だった ただ 自分がああいう状態になったらって思ったら」
湯船に浸かってた腕が伸びてきて
おいらの頬を撫で
首筋に静かに下りていく
翔「どうしてもあなた以外受け入れられなくなった」
あぁ そっか
自分と和也がごっちゃになってんのに
おいらじゃなきゃ駄目だって認識しちゃって
役に入りきれないんだ
いまいちわかんなかったから
色々カマかけてみたけど
そこかぁ
もう 翔くん
どんだけおいらのこと好きなんだよ