第36章 大野丸
智くんが 勉強を始めた
かねてからの夢だった
自分の運転する船でマグロを釣るため
高校受験もしなかった智くんが
初めてやる気を出したんだから
俺も 何か協力したくて
相「翔ちゃん 何読んでんの?」
翔「船舶2級の教本」
潤「え 翔くんも試験受けるの?」
翔「いや 俺は受けない 少しでも智くんの役に立ちたいからとりあえず読んでる」
相「どんだけよ!」
ニ「でも おじさんに教えたりしたら拗ねるんじゃないですか?」
そうなのよ
俺が わかんないところを教えようとすれば
智くんのことだ
『やっぱり翔くんは頭がいいから おいらなんて駄目だ』って
拗ねちゃうんだろうな
ニ「ただでさえフラストレーションたまりまくってんですから」
相「お腹に憂鬱くんがいるって言ってたしね!」
潤「気晴らしにどっか連れてってあげたら?」
翔「いや 智くんの集中力は切らしたくないんだよね」
ニ「集中してんですか?」
翔「作品作ってる時ぐらい集中してる 時間はそれほどもたないけとね」
あの人の集中力は 半端ないって
改めて思う
本気で 免許欲しいんだろうなぁ
クルーザーは高い!って騒いでたけど
本来欲しかったのは漁船チックなヤツだし
帰ってきて
あの船を運転するんだ!って張り切ってたし