第17章 後輩ー智ー
約束の15分前
レストランの個室に通してもらって
相手が来るのを待つ
完全個室だから
食事を運んでもらったあと人払いをすれば
会話が漏れることは無い
ドレスコードのあるレストランだから
ブランド物のオーダーメイドのスーツ
これも 相手を威嚇する手段
従「失礼します 櫻井様 お連れ様がいらっしゃいました」
翔「ありがとう 通して」
従「かしこまりました どうぞこちらです」
従業員の後ろから
おすおずと 顔を出す
不安でしょうがないといった顔
翔「早くに着いたから待たせてもらったよ」
侑「いえ…」
翔「先輩を待たせた なんて気にしないでいいからね さ どうぞ?」
侑「はい…」
俺の台詞に 小さく頷いて
俺の前の席に座る
翔「いつもうちの大野がお世話になってるね 映画でも仲良くしてもらってるみたいだからお礼がしたくて」
侑「ボクはそんな…」
翔「まぁ そんなのは建前で君とじっくり話したかったんだ」
侑「ボクと話…?」
翔「そう でもまぁ 先ずは腹ごしらえしようか 料理は任せてもらっていいかな?」
侑「はい ボクこういうところ慣れてないんで…」
翔「そうだろうね 何も取って食いやしないから安心してよ 知念くん」